暑くなってくると水やジュースを凍らせて、飲み物の中に入れて冷たくして飲みますよね。
何気なく氷をコップの中に入れて飲んでいますが、氷は水の中に「浮いていますか?」「沈んでいますか?」と聞かれてパッと答えられますか。
実際に水と氷と油を使って重さ・体積の変化を比べてみようと思います。
自分で実験することで、なぜそうなるのかを調べることで理解することができ興味が出てくると他の実験(自由研究)もしてみようと思うようになると思います。
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水と氷と油を使った重さ・体積を比べた氷の実験の基礎データ
難易度 | やさしい |
---|---|
対象 | 小学校4年生以上 |
実験期間 | 30分 |
テーマ | 実験 |
費用 | 100円 |
氷の実験の中でも難易度の低い自由研究課題ですが、実際に行ってみると新しい発見があると思います。
食用油の氷を作る必要があるので、実験する前日の夜に製氷皿などで油を冷凍庫に入れておき、翌日の氷の研究で使えるようにすると実験は約30分程度で終わります。
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準備する道具
材料 | 分量・個数 |
---|---|
プラスチック製 コップ |
2~4個 |
エアクッション | 少量 |
ビンの蓋 | 1個 |
油 | 適量 |
ガラス製のコップを使うと割れてしまうことがあるのでプラスチック製のコップのほうがおすすめです。
エアクッションが無いときにはハンドタオルなどでもいいと思います。
実験1:水の中に氷を入れたらどうなる?
コップの中に水を入れて、氷を準備します。
氷は1個でもいいと思いますが、今回は複数個準備してまとめて水の中に入れてみたいと思います。
さて、水の中に氷を入れたら氷は「浮く」それとも「沈む」でしょうか?
早速、氷を水の中に入れて見ましょう。
水の中に氷を入れたら、氷は浮きました。
コップを上から見ると分かりやすいですかね。
氷が水に浮いているのが分かります。
なぜ、水に入れた氷は浮くのか?
氷が水に浮くということは、氷が水よりも軽いからです。
水を凍らせると氷になり、氷になると体積が大きくなるため、コップに入れた水の水位よりも上のほうまで氷ができます。
体積とは、コップの中氷がどれだけの場所・空間を占めているかを表す度合いのことをいいです。
同じ重さで体積が違うとき、体積が大きいほうが軽くなります。
重さと体積の比較を比重(または密度)といい、水の比重を1とすると氷の比重は0.92となり、氷のほうが水よりも比重が小さい数字のため水よりも軽く氷は浮くのです。
実験2:水を凍らせたときの体積の変化を比較する
コップに水を入れて、水位をマジックで分かるように線を引いておき冷凍庫で冷やします。
水が凍ったら取り出して、容器と氷の状態を確認してみましょう。
水のときに線を引いた水位と氷が出来た位置に大きな違いはありませんが、コップの下のほうが少し膨らんでいました。
また、氷は白くなっていて透明感がありません。
ガラスのコップですると水が凍るとき、上下や横に膨らみながら凍るのでコップにヒビが入ったり、割れたりすることがあります。
プラスチック製のコップなら氷が膨張してもコップも膨らんだり、形が変わるだけで危険性がありません。
コップに入れた水をそのまま凍らせたのでは、体積が増えたかどうかが分からないので次のような方法で、コップに入れた水を凍らせてみます。
水を入れたコップ、ビンのフタ、エアクッションを準備します。
コップの周りをエアクッションで包んでセロハンテープなどで止めます。
ビンのフタの上にコップを乗せた状態で冷凍庫で冷やします。
冷凍庫の中ではコップの上下左右、すべての方向から冷やされるため、外側から凍り、中心部が最後に凍ります。
中心部の水が凍ると膨張するため外側の氷を押すため、氷に亀裂が入ったり、コップが割れたり、コップの形が変形したりします。
ということで、凍る順番を下から上に凍らせるようにすると体積が増えると上にいくため、元の水位から体積が増えることを目で確認できるはずです。
コップの横と上をエアクッションで包み、下に金属製のビンのフタを置くことで下から冷えていくようにするための準備をして冷凍庫にいれます。
エアクッションで包んだコップの水が凍ったら取り出して、エアクッションを外し、氷の状態を見てます。
水の状態のときに線を引いておいた場所よりも上のほうまで氷が出来ているのが分かります。
水が凍ることで体積が増えたことが目で見て分かります。
ちなみに重さを計ったら下記の通りでした。
水のとき140g
氷のとき129g
実際に凍った状態のを計ってみると分かりやすいですが、持った感じは氷のほうが重いのではという感覚になります。
実験3:サラダ油を凍らせて油に入れてみる
製氷皿などで食用油を凍らせておき、油が凍ったら実験を始めます。
透明なコップとサラダ油と凍らせて油を用意します。
透明のコップに油を適量入れます。
コップに入れた油の中に、凍らせた油を入れますが、手で持つと手の温度で溶けてしまうのでキッチンペーパーを使うといいです。
油の中に凍った油を入れたら、氷が沈みました。
水で作った氷は水の中では浮いたのに、油で作った氷は油の中では沈みました。
ということは、食用油は液体を凍らせるて固体にすると密度が高くなるため液体に入れると沈んでしまいます。
水は凍らせると増えましたが、油は凍らせると体積が減るため氷がひと回り小さくなります。
実験4:水と氷と油の重さを比較する
実験3で使った食用油と食用油を凍らせた氷を入れたコップに水を入れます。
すると、水が下になり、食用油が上になり交わること無く分かれます。
先程の実験で使ったコップなので、油の氷も入ったままですが、油の氷は水の上、油に沈んでいる状態です。
分かりやすいように画像を撮ってみました。
油の氷が真ん中当たりで浮いているのが分かります。
次に、水を凍らせた氷を入れてみますが、氷はどうなるのでしょうか。
食用油に水で作った氷が浮いています。
食用油の密度は約0.92g/cm3で、水で作った氷の密度は約0.92g/cm3とほぼ変わらないので、水で作った氷は浮かないはずですが浮いてしまいました。
氷が浮いてしまった原因は、氷に含まれている空気の気泡が原因で、氷の中に空気が含まれている分だけ密度が低くなっていることから油に浮いてしまいました。
氷の中に気泡が入っているかどうかを確認するのは、氷の中に白く濁った部分があるかどうかで判断できます。白いのが空気です。
白く濁っていない透明度の高い氷、コンビニで買える氷などを入れてみるといいです。
製氷機の中にある氷の中で透明度が高い氷を探してみてもいいですね。
透明度の高い氷を入れてみたら、食用油の液体の下のほうに氷があります。
密度で比較すると
食用油・・・・約0.91~0.92g/cm3
氷(水)・・・約0.917g/cm3
氷(油)・・・約0.93g/cm3
水・・・・・・約1.0g/cm3
上が小さく、下が大きいものの順になっているのが分かります。
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まとめ
水と油の液体と固体を使った実験を行ないましたが、改めて実験をしてみると「なるほど」という発見が多数ありました。
大人でも分かっていても理解していないことがありますし、子供に説明するときにできないことが多々ありますが、一緒に氷の実験・研究を行ない調べることで自分の知識も増えますし、子供が分かりやすい、理解しやすい例えや言い方を変えたりすることで子供の自由研究にも充分に使える内容です。
密度の違う液体を入れることで液体や固体がどのように変わるかということも発展させた実験でも出来ますし、牛乳やオレンジジュースなどを使って実験しても面白いと思いました。
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