紫外線は肌を黒くしたり、肌のしみやしわ、くすみなどの老化の原因になるとのことで、外に出掛けるときやプールや海で遊ぶときには日焼け止めクリームをたっぷりと塗って出掛けています。それでも、肌が黒くなってしまうことがあり、日焼け止めクリームの効果ってあるのかどうか調べてみようと思います。紫外線によって色が変わるバナナを使って自由研究をしようと思います。
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バナナを使った紫外線を通さないものを調べるための基礎データ
難易度 | 簡単 |
---|---|
対象 | 小学生3年生以上 |
実験期間 | 2日~3日 |
テーマ | 実験 |
費用 | 300円 |
以前、「 紫外線の強さを調べよう 」で学研の自由研究おたすけキット「紫外線を調べよう」を購入していたので、紫外線の強さを調べる「紫外線チェッカー」があり、紫外線の強さを確認することができますが、無くても日差しの強いところは紫外線も強いので、日差しが当たる場所で実験を行うようにするといいです。
費用は300円しか掛かっていませんが、これはバナナ代です。他に準備しなければいけない道具・材料についてはすでに家にあったので買う必要がありませんでした。下記で紹介する材料・道具は100円均一のダイソーなどで買うことができます。
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用意するもの
材料 | 個数 |
---|---|
紫外線チェッカー | 1個 |
時計 | 1個 |
バナナ | 8本 |
アルミホイール | 1本 |
色紙(白と黒) | 各1枚ずつ |
セロハン(赤・緑・青・透明) | 各1枚ずつ |
日焼け止めクリーム | SPFが違うもの3つ |
マジックペン | 1本 |
セロハンテープ | 1個 |
はさみ | 1本 |
空き箱 | 1個 |
バナナは実験で使うために必要な本数を計算して準備するようにしましょう。日焼け止めクリームは、1種類だけではなくSPFの数字の違うものをいくつか準備しておくと、SPFの数字の違いによる日焼け止めクリームの効果を検証しやすくなります。
セロハンの透明が無ければサランラップでも代用することができると思いますし、UVカットフィルムやメガネを使ってみるものいいと思います。
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バナナの皮が紫外線によって日焼けするかを調べる
自由研究テーマに取り上げたきっかけ・動機
日焼けしたくないから、日焼け止めクリームを塗っていたけど、どうしても日焼けしてしまって効果があるのかどうか疑問に思っていました。紫外線によって皮の色が変わるバナナを使って、日焼け止めクリームが紫外線を防いでいるのかを調べるのと同時に、紫外線に当たっている時間によっての色の変化の違いや、色による日焼けの変化などについても一緒に調べてみようと思います。
実験1・・・バナナの皮が日光の紫外線で色が変わるのかを調べる
実験2・・・紫外線に当てる時間を変えることで皮の色の変化を調べる
実験3・・・紫外線をさえぎる、通さないものはどれかを調べる
実験に使うバナナを準備する
今回の実験で使うバナナは8本です。アルミホイールを巻いたバナナが5本、白い紙と黒い紙を巻いたバナナ、赤・緑・青のセロハンを巻いたバナナ、透明セロハンを巻き日焼け止めクリームを塗らないものと塗ったもの(SPF15・SPF35・SPF50+)に分けました。
【紫外線を通さないものを調べるために準備したバナナ一覧】
番号 | 巻きつけたもの | 時間 |
---|---|---|
1 | アルミホイール | 直射日光1時間 |
2 | アルミホイール | 直射日光2時間 |
3 | アルミホイール | 直射日光3時間 |
4 | アルミホイール | 直射日光4時間 |
5 | アルミホイール | 蛍光灯4時間 |
6 | 白色と黒色の紙 | 直射日光4時間 |
7 | セロハン(赤・緑・青) | 直射日光4時間 |
8 | 透明セロハンに日焼け止めクリーム | 直射日光4時間 |
【バナナに番号と巻いた部分が分かるように線を引く】
実験に使うバナナの条件を上記のように一覧表にしておき、実際のバナナのふさに近い部分にマジックペンなどで番号を書き、アルミホイールやセロハン・紙などを巻いた部分が分かるように線を引いておくと、どの位置に巻いていたのかが分かりやすいです。
紫外線の実験にバナナが使われる理由
人間の肌が紫外線で黒くなるのは、紫外線を浴びた細胞が身体を守ろうとして紫外線を吸収するメラニン色素を作ることから茶色く皮膚がなります。この紫外線は、皮膚の細胞に当たると、しわ・しみ・くすみなどの肌老化や皮膚がんなどの原因になることが分かっており、有害なものです。
これは人間だけではなく、植物も同じことが言えます。バナナは始めから黄色い訳ではなく、最初は緑色をしています。緑色は植物が持つ葉緑素で、植物の細胞が紫外線によって壊されないようにするためと言われています。バナナは収穫されると葉緑素が壊れて黄色になります。黄色になったバナナは紫外線を浴びると人間の皮膚と同じように茶色に変色するため、見た感じが分かりやすいということが言えます。
バナナ以外の植物としては、緑色の実のものが代用できます。例えば、りんごやトマトなどが該当します。はじめは緑色の実ですが、赤く色づきますが、この赤い色はカロテンという抗酸化物質で紫外線から実を守るためのものです。バナナも同じで紫外線を浴びると茶色く変色しますが、これは紫外線から実を守るためのものでポリフェノールという抗酸化物質による働きです。植物ではありませんが、バナナ以外で紫外線で色が変わるものとしては、絵の具やビーズがあります。
思うに、バナナの色の変化が一番分かりやすいし、費用的にも、巻き付けるのにも使いやすいというメリットがあると考えられます。
紫外線や蛍光灯に当てたバナナは箱に入れて暗所に置く
実験対象時間になったバナナは、巻いていたアルミニウムはくや紙・セロハンなどを外して箱に入れ、暗い場所に置いておきます。人の肌と一緒で、すぐにバナナの皮が茶色に変色する訳ではなく、1日~2日程度置いておく必要があります。
紫外線に当てていたバナナは、温かくというか熱くなっていますので風に当てたりして冷やすようにしましょう。冷やすときは、直射日光が当たらない場所で行ないます。このとき、直射日光にバナナが当たってしまうと、巻いていた紙などを外しているので、その部分が焼けてしまい、正しい研究結果を得られなくなってしまいます。
バナナは分かりやすいように番号順に並べて、バナナが冷えたら箱のフタをして、日焼けしないように涼しく暗い場所で保管します。
涼しい暗い場所で2日間保管しました。バナナの変色具合を確認してみました。1日おいただけでは変色具合が薄いと感じますので、やっぱり2日はおいたほうがいいと感じます。
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実験1 バナナの皮が日光の紫外線で色が変わるのかを調べる
バナナが日焼けするかを確認するため、直射日光に当てるバナナと蛍光灯に当てるバナナを準備しました。
写真の中央部分にある真っ赤になっているのが「紫外線チェッカー」です。これで、紫外線の強さを確認でき、「強」の色になっているので、とても紫外線が強いことを示しています。
室内の蛍光灯に当てたバナナです。「紫外線チェッカー」の色は透明でほとんど紫外線が無い状態の場所においたバナナです。
蛍光灯に当てているバナナの画像です。紫外線が入ってこないように窓際に置くのであれば、カーテンを閉めておいたほうがいいです。
【結果】
蛍光灯に4時間あてたバナナと直射日光に4時間当てたバナナの茶色に変色具合を確認してみました。蛍光灯に当てたバナナは紫外線が当たっていないため変色はなくきれいな黄色ですが、直射日光に当てたバナナは明らかに変色しているのが分かります。このことから、黄色いバナナは紫外線を浴びると茶色または黒く変色することが分かります。
アルミホイール(アルミニウムはく)を巻いたところは、上下の変色とは違い、蛍光灯を当てたバナナと同じ色で、日焼けしないことが分かります。
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実験2 紫外線に当てる時間を変えることで皮の色の変化を調べる
直射日光に当てるバナナの場所は、影なったりしない場所を選ぶようにします。太陽は時間とともに位置が変わるので、日光を遮るものがあると日陰になり、紫外線の強さが変わってしまいます。実験時間、今回は4時間直射日光があたる場所を選びましょう。
バナナを4本準備し、直射日光に当てます。紫外線の強い時間帯を選ぶといいです。紫外線は10時頃~15時頃までが強いので、その時間帯の間で行うといいです。今回の実験では、12時~16時までの4時間、直射日光に当て、1時間おきにバナナを1本回収して、直射日光に当てる時間の長さを変えました。
バナナの中央にある2本の線がアルミホイールを巻いていた場所です。アルミホイールを巻いた場所は実験1で変色しないことが分かっていますので、上下との色の違いで確認することができます。
直射日光 | バナナの変化 |
---|---|
1時間 | ほとんどありません。 |
2時間 | 少し変色が見られます。 |
3時間 | 変色が確認できます。 |
4時間 | かなり変色しています。 |
【結果】
直射日光を浴びてる時間が短いと日焼けせず、長ければ長くなるほど、紫外線による日焼けの影響が大きくなることが分かります。1時間など短時間であれば、紫外線の影響は少なく、長時間紫外線を浴びると影響が大きいです。
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実験3 紫外線をさえぎる、通さないものはどれかを調べる
実験3で使うバナナは、実験2で使った「直射日光に4時間当てたバナナ」と、白と黒の紙を巻いたバナナ、赤・緑・青のセロハンを巻いたバナナ、日焼け止めクリームを塗った透明セロハンの4本を使います。
【結果】
条件は、12時~16時まで直射日光に4時間当て、その後、箱に入れて暗所で2日間保存し、バナナの変化を検証してみました。
No | 写真 | 巻いたモノ | 色の変化 |
---|---|---|---|
4 | アルミホイール | 無し | |
6 | 白色の紙 | 無し | |
黒色の紙 | 黒く変色 | ||
7 | 赤いセロハン | 少し変色 | |
緑のセロハン | 変色した | ||
青いセロハン | 黒く変色 | ||
8 | 透明セロハン | 変色した | |
SPF15を塗った 透明セロハン |
少し変色 | ||
SPF35を塗った 透明セロハン |
ほとんど 変色無し |
||
SPF50+を塗った 透明セロハン |
無し |
●アルミホイール(アルミニウムはく)を巻いたバナナ
アルミホイールを巻いたバナナは、アルミホイールを巻いた部分以外が変色してしまっています。アルミホイールは紫外線を通さないことが分かりました。
●白色と黒色の紙を巻いたバナナ
白色の紙を巻いた部分は日焼けしてなく、紫外線の影響を受けていないことが分かります。でも、黒色の紙を巻いた部分は黒くなってしまいました。これは、紫外線による変色ではなく、温度上昇により炭化してしまったようです。黒い紙は、可視光線(=光)をすべて吸収し、光エネルギーを熱エネルギーに変換するため、熱くなります。猛暑の中、4時間直射日光に当たり続けた黒い紙は、白い紙よりも温度が高くなりバナナんの皮が炭みたいになってしまいました。黒い紙を外して、黒く変色した部分のニオイを嗅いだら、ちょっと焦げ臭いにおいがしました。
●赤・緑・青のセロハンを巻いたバナナ
赤いセロハンを巻いた部分は、変色していますが、濃さや範囲はセロハンの中では一番少ないため、紫外線を少しは防いでいることが分かります。緑のセロハンは、巻いていない部分と同じ色に変色しているため、紫外線を防ぐ効果が無かったことが分かります。
青いセロハンは、黒い紙を巻いたバナナと同じように黒く変色してしまいました。黒い紙と同じように高熱になり炭化してしまいました。
●透明セロハンと透明セロハンに日焼け止めクリームを塗ったバナナ
透明セロハンは紫外線を通してしまい、巻いていない部分と同じように茶色く変色しています。透明セロハンは紫外線を通すことが分かります。その透明セロハンにSPFの数値が違う日焼け止めクリームを塗って、バナナの日焼け状態の違いを確認出来ました。
4時間の直射日光に当てたバナナの皮の変色を見ると、SPF15は少し変色が確認できました。SPF35は一部で変色が見られますが、ほとんど変色が無いと言っていい状態です。SPF50+は変色がありませんでした。直射日光の強い場所、紫外線の強い場所ではSPFの数値が高い日焼け止めクリームは効果があることが分かりました。
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感想と考察
実験1で直射日光に4時間当てたバナナの皮が、紫外線により茶色く変色することを確認しました。紫外線の強さは、紫外線チェッカーを使って1時間おきに確認し、強さをチェックしました。紫外線に当たった場所は茶色く変色する現象を確認でき、またバナナの皮が茶色に変色する仕組みについても調べて、バナナに与える紫外線の影響も学びました。
透明セロハンと透明セロハンに日焼け止めクリームを塗ったバナナで分かるように、透明セロハンは紫外線を通し、バナナの皮が変色することが分かりました。日焼け止めクリームを塗った透明セロハンは、見た目は透明でも、その効果はきちんと働いていて紫外線をカットしていることから、バナナの変色が透明セロハンとは全く違うことが分かりました。
このことからも、バナナの皮は紫外線の働きによって変色することが証明されました。
実験をするときの注意点としては、
・バナナは新鮮で少し青みがかっているものが良い
・日差しの強い初夏から真夏の時期に実験を行う
・直射日光に当てたあとは、実験以外に紫外線を当てないために箱に入れて暗い場所で変色する時間を待つ
・途中で日かげにならない場所で実験を行う
「バナナも日焼けをするの?」かということを知ることが目的の実験でしたが、日焼け止めクリームの効果についても実験してみると面白いと思いました。SPFの数値の違いと直射日光に浴びている時間で、どんな影響が出るのか?、何時間持つのか?などについて調べてみたいと思いました。
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まとめ
夏休みの自由研究として、バナナの日焼けを使った実験方法を選ぶ小学生や中学生・高校生は多いと思いますので、やり方の参考にして頂ければと思います。実験するときの注意点を守れば、失敗することも少ないです。この実験で必要なのは、紫外線の強さと日焼けの関係です。今回は紫外線チェッカーで紫外線の強さを測定しましたが、学校で紫外線測定器があれば、それを使わせてもらって検証するとより詳細な情報を得ることができます。
小学生や中学生の理科実験としてなら、紹介した3つの実験方法を試してみるといいと思います。他には、可視光線・紫外線・赤外線の関係を調べたバナナの実験のまとめ方でも面白い研究内容になると思います。
そして、この「バナナを使った紫外線を通さないものを調べる自由研究」を進めていて新たな発見が1つありました。それは、「黒色の紙」と「青のセロハン」を巻いたバナナの皮が炭化してしまったことです。アルミホイール・白い紙・黒い紙・青のセロハンを使って直射日光を当てたときの温度上昇についてという自由研究もできそうです。
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