自由研究のテーマを決めるときに、本や実験キットを見て小学生や中学生の子供がしたいと思うものというのは、科学実験や理科実験といった普段ではできないようなものを選びます。レモンなどの果物を使って、金属板をつなげるだけで電気が作れるという「レモン電池の作り方」の理科研究を行ないましたので、用意するもの・やり方・まとめ方などについてまとめています。

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レモン電池の理科実験の基礎データ

難易度 普通
対象 小学生高学年以上
実験期間 2時間
テーマ 実験
費用 1,300円

レモン電池の理科実験の対象年齢は小学3年生からです。小学生だけではなく、中学生や高校生も科学実験として自由研究のテーマとして選び、課題に取り組んでいることが多いです。

電池を作るために今回はレモンを選びましたが、他の果物でも実験することができますので、比較検討がしやすく、さらに応用することができる理科の実験なので、簡単に楽しく行なうことができます。大人の自由研究としても面白いテーマです。

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用意するもの

材料 個数
亜鉛板 4枚
銅板 4枚
メロディIC 1個
導線 1個
レモン 2個
紙コップ 1個
セロハンテープ 1つ
はさみ 1つ
乾電池 1本
定規 1つ
バナナ 1/2本
じゃがいも 1個
10円玉 4枚
1円玉 4枚
ティッシュまたは
キッチンペーパー
1枚

準備するものは、ホームセンターに行けば全て買い揃えることができますが、今回は学研の実験キット「レモン電池を作ろう」を購入しました。ホームセンターに亜鉛板や銅板を買いに行きましたが、結構な量があり、余った分は使わないからもったいないかなと思い、市販キットを購入しました。

実験材料として必要な材料の中で、他のものでも代用することができるものがあります。

メロディIC・・・発行ダイオード(LED)
導線・・・ミノムシクリップのついた導線
銅板・・・アルミ板
10円玉・・・茶色い銅製のコイン、鉄、ステンレス
1円玉・・・アルミホイル、アルミニウム、アルミ板、アルミ箔

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レモン電池の理科実験の自由研究

目的・きっかけ

家にあるリモコンの電池が良く切れてしまい、電池が無くなるのが早いなぁということを日頃から思っていました。自由研究の本を見ていたら、レモンなどの果物が電池になるという「レモン電池の研究」を目にしました。電池以外でも電気を作ることができるということで興味を持ち、自分でも試してみたいと思いました。科学実験をして「なぜ光るのか?」という仕組みについて調べたいと思います。

実験1・・・レモン電池の数を増やして音の違いを確認する

実験2・・・レモン電池4個で直列つなぎと並列つなぎにして音を確認する

実験3・・・レモン以外の果物などで試してみる

実験4・・・身近な道具・材料を使って試してみる

レモン電池実験セットの作り方

メロディICの黒と赤のリード線をハサミを使って切り取ります。先端から2cm程のところでハサミで軽く挟んで、くるくると回しながらカバーを切っていき、リード線を回しながら抜きます。すると、中の導線が出てきます。このとき、ハサミに力を入れ過ぎてしまうと中の導線まで切ってしまうので注意しましょう。

準備した単3形乾電池にリード線を付けますが、このとき注意することは、赤い線は電池の+(プラス)側に、黒い線は電池の-(マイナス)側につなげます。電池の先にあるスピーカーから音が聞こえるか確認します。

音が聞こえないときは、次の手順で確認して、故障しているかも知れないときは交換してもらいましょう。

1.乾電池の電気が弱いかも知れないので新しいので試してみる

2.乾電池を交換しても音が聞こえないときはメロディICが故障している

メロディICの黒いリード線に亜鉛板またはアルミ板、赤いリード線に銅板をくくりつけます。ここで、接続方法を間違えてしまうと電子オルゴールから「音がならない」とか「音が出ない」という結果になってしまいます。発光ダイオード(LED)で実験するなら、「つかない」とか「光らない」とか「点灯しない」状態になります。

スピーカー部分を紙コップの底にセロハンテープで貼り付けます。紙コップの底にスピーカーを取り付けることは、音を大きくするためです。紙コップではなく、深さのある箱などでも代用することができます。

①導線を20cm間隔で切り分けていきます。ハサミで簡単に切ることができます。

②銅板または亜鉛板の先端に結びつけます。取れそうなときはセロハンテープで貼り付けます。

③先端を細くしておくことで巻き付けることができ、外れにくくなります。

④使う分だけ作っておくといいです。今回は3セット作りました。

メロディICにつないだ銅板と亜鉛板を、半分に切った1つのレモンにさします。これで実験の用意ができました。

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実験1 レモン電池の数を増やして音の違いを確認する(直列つなぎ)

実験方法

1.半分に切ったレモン1個に、メロディICのリード線につながっている銅板と亜鉛板を差し込みます。差し込むときに、銅板と亜鉛板が触れ合わないように注意します。

2.レモン電池を1個から2個、3個、4個と増やしていき、直列に結んでいくことで音の聞こえ方を調べます。

予想

乾電池で音の鳴り方を確認したときは、はっきりと聞こえましたが、レモン電池は電気の力が弱いと思うので「音が小さい」と思う。

結果

レモン電池の個数 音の聞こえ方
レモン電池1個 かすかに音がなっていますが、メロディには聞こえず、雑音でした。
レモン電池2個 音は小さいですが1個に比べたら少しだけ音量が増しましたが、雑音でした。
レモン電池3個 2個よりも音が大きくはっきり聞こえますが、メロディを確認できませんでした。
レモン電池4個 音はハッキリと聞こえテンポが速くなりましたが、メロディではありません。

レモン電池の数を増やすことで、音が大きくなり、はっきりと聞こえるようになりました。2個から3個にしたところから、音の速度が速くなり元気になりました。ただし、音は聞こえても、メロディーとしてはレモン電池4個のときでも聞くことができませんでした。

予想では、メロディとして聞こえるけど、音が小さいだろうと思っていましたが、メロディではなく音というよりも雑音でしかありませんでした。乾電池のときのように、メロディをはっきりと聴くということではレモン電池4個では失敗でした。

「なぜメロディが鳴らなかったのか?」について調べてみました。

レモン電池に差していた銅板と亜鉛板の差し方があまいのでは・・・?ということで

深々と奥まで差し込んでみました。そしたら、音が大きくなりました。1つコツを見つけました。差し込み具合が浅いと音が小さく、深いと音が大きくなりますので、レモンに差し込むときは深く差し込みましょう。

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実験2 レモン電池4個で直列つなぎと並列つなぎにして音を確認する

レモン電池4個を直列つなぎと並列つなぎを合わせてメロディを鳴らしてみました。

電力アップして、直列つなぎよりも大きな音が出ました。そして、何となくメロディが分かるようになりました。音は動画でご確認下さい。

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実験3 レモン以外の果物などで試してみる

実験方法

冷蔵庫の中にあったバナナとじゃがいもを使って、メロディICの音が聞こえるか、レモン以外を使って実験を行なってみました。

予想

レモンはすっぱいもので、果汁が多くあるのに対して、バナナもじゃがいもも酸っぱくないし、水分も多くないので鳴らないのではないかと思う。

結果

【レモン以外の食品・食べ物・・・じゃがいも】

【レモン以外の果物・・・バナナ】

食べ物の種類 音の聞こえ方
じゃがいも じゃがいも1個では音が小さく、メロディを聞き取れませんでしたが、2個になったらメロディを聴き取ることができました。3個になるとよりハッキリと聴こえ、4個だと音も大きく、十分に聞き取れるスピードのメロディでした。
バナナ バナナ1個では電気量が少なく音は小さい、音も途切れていました。2個ではメロディは聞き取れましたが、音が途切れてしまいます。3個~4個になると始めは大きな音でも少し経つと音が小さくなり、音が切れてしまいます。

じゃがいもでもバナナも、レモンよりも大きな音で、メロディがハッキリと聴こえました。

他には、

果物・・・グレープフルーツ・キウイ・こんにゃく・スイカ・りんご・いちごなど

野菜・・・トマト・きゅうりなど

調味料・・・食塩水・砂糖水・酢など濃度を変える

などを使って、理科のレモン電池の研究を行なうと比較することができ、よりまとめやすくなります。

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実験4 身近な道具・材料を使ってみる

レモン電池のように「ある2つの金属」と「レモンの汁」で電池が出来るかもしれないということで実験してみました。

実験方法

身の回りにある10円玉と1円玉、ティッシュまたはキッチンペーパー、レモン汁を使った電池作りに挑戦してみようと思います。10円玉と1円玉を使わなくても代わりのもので科学実験をすることができます。

10円玉・・・茶色い銅製のコイン、鉄、ステンレス
1円玉・・・アルミホイル・アルミ板・アルミ箔

予想

コインを使うだけで音がなるとは思いません。レモン電池で音が聞こえる程度で、メロディとは分からなかったので、10円玉と1円玉を使ったコインの電池は音が出ないのではないかと思う。

実験のやり方

1.ティッシュまたはキッチンペーパーを10円玉の形に合うように丸く切り取ります。

2.10円玉に切り抜いたティッシュまたはキッチンペーパーにレモンの果汁を染み込ませます。

3.レモン果汁を染み込ませたティッシュまたはキッチンペーパーを10円玉に貼り付けます。

4.ティッシュまたはキッチンペーパーに1円玉を置きます。

「10円玉⇒レモン果汁を染み込ませたティッシュなど⇒1円玉」の順番に重ねたものを4組作ります。

「10円玉⇒レモン果汁を染み込ませたティッシュなど⇒1円玉」の順番に重ねたものを、メロディICの赤いリード線の銅板を10円玉に、黒いリード線の亜鉛板を1円玉に付けて音を聞いて見ました。音は動画でご確認下さい。

結果

今までのレモン電池やレモン以外の果物や野菜などよりも大きな音でメロディがハッキリと聴こえました。

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なぜ音がなるのか?レモン電池の仕組み

レモンにさした亜鉛板の亜鉛はレモン果汁に含まれるクエン酸などの酸に溶けやすくとけたときに「-(マイナス)」の電気を帯びた電子を残す性質があります。そのため、亜鉛が溶けると亜鉛板の中に多くの電子が残されることになり、亜鉛板に残された「-(マイナス)」の電子は黒いリード線を通り、メロディICに電気が流れ、銅板のほうに向かって流れて行きます。

この電子の移動によって電気が流れ、電子オルゴールが鳴ったり、発光ダイオード(LED)が光ったりします。銅板に移動した電子は、レモン果汁に含まれている水素イオンと結合して、水素ガスになります。

金属には、イオン化しやすいものと難しいものがあり、これをイオン化傾向といいます。二種類の金属を組み合わせて、電解液にひたすと(浸漬(しんし))化学反応で電池となるのがレモン電池の仕組みです。

イオン化傾向 素材

溶けやすい
錆びやすい


溶けにくい
錆びにくい

アルミニウム
亜鉛
スズ
白金

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レモン電池の実験で使った果物や野菜は食べられる?

今回、レモン電池の実験に使ったレモン・じゃがいも・バナナがもったいないと子供が「食べる」と言い出しました。食べられるのか心配だったので調べてみました。

食べてはいけない!
食べられない!

ことが分かりました。

食べられない原因としては、レモン電池の仕組みで学習したことが理由です。それは、亜鉛板を使えば「亜鉛イオン」がレモンなどの中に溜まり、アルミホイル・アルミ板・アルミ箔を使えばアルミニウムがレモンなどの中に溜まります。この亜鉛イオンなどの金属イオンは、亜鉛中毒や金属中毒になる危険性があります。

とは言え、亜鉛は身体にとって必要なものです。亜鉛が不足すれば、味覚障害・肌荒れ・髪のぱさつき感・倦怠感などが発生しますが、1日に必要な量は微量で、小学生の6~8歳で6mg、9~11歳で7mg、中学生の12~14歳で8mg、高校生の15~17歳で10mbと厚生労働省が定めています。

亜鉛イオンを過剰摂取すると鉄や銅の欠乏を招きます。鉄は赤血球と結合して酸素の運搬をする働きがありますので欠乏することで貧血になりやすくなりますし、血中の善玉コレステロールも低下するようです。身体には良くないので絶対に食べないことです。

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レモン電池の理科実験では豆電球はつかない

テスターを持っていれば、レモン電池1個のとき電圧と電流を測定するといいです。レモン1個のとき電池は、約0.7V(ボルト)200μA(マイクロアンペア)の電流が流れますが、豆電球は1.1V200mA(ミリアンペア)近くの電流が必要になりますので、レモン電池の電流ではつかないのです。レモン電池の実験材料として豆電球を使用すると失敗に終わってしまいます。

豆電球でもしてみようと、レモン以外のものでするときの1つとして比較検討材料にするのはいいと思います。

電池の発明はカエルの足だった(ボルタ電池)

1791年、イタリアの生物学者であるガルバーニが、カエルを解剖しているときに、2種類の金属がカエルの足に触れたとき、ピクピクとカエルの足が動いたことを聞いた、イタリアの科学者アレッサンドロ・ボルタが、1800年に希硫酸(きりゅうさん)という薬品を染み込ませた布を銅と亜鉛に挟んだものを積み重ねてみたら、強力な電池が生まれたのが電池の原点で、ボルタの電池といいます。ボルトは、ボルタから名付けられました。

考察や反省点・感想

レモンを使って電気が作れることに驚きました。レモンを1個から4個と数を増やせば、電気の量が増え、音が大きくなることも分かりましたので、今回のレモン電池の理科実験としては成功したと思います。でも、予想ではメロディとして聞けると思っていたので、そこは予想とは違いました。

そのため、家にあるレモン以外の果物や野菜を使って同じ実験をしてみました。今回使ったのはじゃがいもとバナナですが、レモンのときよりも直列つなぎする個数が少なくても音が大きく、メロディとして聴こえました。

実験を通して、レモン電池で作れる電流や電圧を調べることで、メロディICや電子オルゴール・発光ダイオード(LED)以外のソーラーモーターも動かすことができるのではないかと思います。

【他にも実験してみたいこと】

1.他のモノでも電気が発生するのか?

果物・・・グレープフルーツ・キウイ・こんにゃく・スイカ・りんご・いちごなど

野菜・・・トマト・きゅうり、大根、なすなど

調味料・・・食塩水・砂糖水・酢など濃度を変える

2.人も電池になるのか、導線の先を持ってみる

3.電気で鳴らしたり、点けたりするものを変更してみる

発光ダイオード(LED)、ソーラーモーター

4.銅板と亜鉛板の距離を変えてみる

5.差し込む金属板をフォークやスプーン、アルミホイルなどに変えてみる

6.レモン電池の寿命は?電子の失いやすさを調べる

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まとめ

夏休みの自由研究としてレモン電池の実験は人気があります。今回は「研究キット」を使って行ないましたが、値段も1300円程度なので安いと思います。レモンの数を増やすことで電気が強くなるので、テスターがあるとより詳しく自由研究のレポートとしてまとめることができると思います。特に中学生や高校生が行なうのであれば、必要でしょうね。

銅板も新しいものよりも、一度使って酸化した酸化銅を使うと、酸と反応しやすくなり電流が流れやすくなりますので、試してみるといいと思います。うまくいかないことも多いと思いますが、失敗したことから資料を作るときに説明することができますので、より詳しく内容をまとめられるようになります。

電池の仕組みや原理を研究するのに最適な自由研究のテーマだと思います。

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